ハード面だけではなくソフト面の対策も大事です
2014/02/05
昨日の日経新聞に冷凍食品の農薬混入事件に関する記事が載っていました。
内容は、再発防止策として、監視カメラの増設や出入り口の集約、従業員の身体検査、を挙げていました。
そういう対策は一見わかりやすいので効果がありそうですが、そうとも言えません。
設備や仕組みなどのハード面だけでは完全に防止するには限界がありますし、コストもかかります。
私は、ハード面以外にもう一面の改善をしなければ効果は薄いと思います。
もう一面とは、職場の風土です。
風土とは、職場のモラルや習慣、暗黙のルール、余計なことは言わない、経営者への不信感、などが積もりに積もったものです。
普段からルール違反的な行為をしていても誰も注意しない、余計なことを言うと職場にいにくくなる・・、見て見ぬふりをする・・・などです。
1月27日の本ブログ https://closed-site.core-arata.co.jp/profess/blog/2014/01/27/2151 で、
「口に入るものの製造職場だから活き活きと働ける職場づくりに取り組んでほしい。働いている人も幸せであってほしい」と書きました。
私が風土改革を支援しているある企業は、「仕事には厳しいが人には優しい職場の風土づくり」に取り組んでいます。
そこの会社の副社長が「従業員の不正防止にはハード面や仕組み体制も大事だと思いますが、そこにたくさんのコストをかけるより、従業員一人一人が活き活きと互いに仕事には厳しく、一方従業員が普通に安心して暮らせるように“優しさ”がある職場風土づくりに力を入れたほうが良いと考えていると」とおっしゃっていました。
その通りだと思います。
今回の事件、何が原因かわかりませんが、会社に対して大きな不満を抱えたまま仕事をしている、しかも、人の口に入るモノを作っている職場、問題の本質を明らかにして改善してほしいと思います。
新聞記事には、監視カメラの増設や出入り口の集約以外にさらなる強化策を検討中とありましたが、不満の本質的な面まで入り込んだ対策をしないと効果はないと思います。
コアネットワークデザイナー
手塚利男
★「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」(日経ビジネス人文庫)
★手塚利男の『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』(Nanaブックス)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491873/
★通信教育用テキスト本『活気あるチームのつくり方』手塚利男/アイ・イー・シー
http://www.iec.co.jp/products/course/business_skill/tu-04790/tu-04790.html
カテゴリ:風土改革支援現場に立って思うこと